教会の1年のカレンダー ―典礼暦―

 

【季節】:教会は、私たちキリスト者が、リズミカルに、生き生きとした信仰生活を送ることができるように、1年を周期として、キリストの神秘全体を思い起こし、記念し、祝います。なかでも、イエスの主要な出来事を祝う期間を典礼の「季節」と呼びます。今、私たちが過している待降節、間もなく迎える降誕節、そして追って説明しますが、四旬節と復活節です。これ以外の期間を「年間」と呼びます。

 

【待降節】:イエス・キリストの降誕を準備する期間ですが、教会はキリストの二つの来臨を結びつけて心の準備をします。一つは、旧約時代から待ち望んでいた救い主の誕生です。もう一つは、「主イエスよ、来てください(マラナ・タ)」(黙示録22:20)と願うキリストの終末の来臨へと心を向ける季節です。このことは、待降節の四つの主日の朗読によく表れています。

直前の第4主日に、マタイはヨセフに、ルカはマリアへの天使のお告げの場面が朗読され、一歩一歩主の降誕に向って歩んでいきます。

 

【降誕節】:降誕節は、12月25日の主の降誕の祭日の前晩(クリスマス・イヴ)から始まります。降誕祭の日私たちは、「(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた」(ヨハネ1:14)受肉の神秘を記念します。そして、父である神が、すべての人の罪を赦し、すべての人に寄り添うために、独り子イエスをこの世界に送ってくださった大きな喜びのうちにこの日を過ごします。

喜びのニュースである福音は、ルカの降誕物語によれば、当時、貧しく、律法を守らない者として人々から軽蔑され、疎外されていた羊飼いたちに告げられました。マタイの降誕物語は、東方の占星術の学者たちに、福音が伝えられたと語っています。彼らは、「ひとつの星がヤコブから進み出る」(民数記24:17)と預言されたシンボリックな星に導かれ、厳しい砂漠を旅し、長い月日を経て幼子イエスに出会いました。この学者たちはユダヤ人ではなく、ユダヤ人から汚れた人々として嫌われていた異邦人でした。つまりキリストの福音は、聖書をよく知っている王や祭司長や律法学者などといった人々ではなく、貧しく素朴な人々、そしてユダヤ人を越えて、世界中のすべての人々に告げられた、ということが大切なメッセージだと思います。この「星」は今も私たちを導いています。

降誕節は、「主の公現」の祭日である1月6日まで(ただし日本では、「主の公現」直後の主日まで)続きます。この季節を通して私たちは、父である神が、すべての人が神のいのちにあずかることができるように独り子をこの世界に送ってくださった救いの恵みを感謝し、味わいます。

 

【神の母聖マリア】:主の降誕の8日目、イエスの命名を記念する1月1日に教会は古い伝統に従って「神の母聖マリア」の大切な祭日を祝います。初代教会の時代から、キリスト者たちは聖母マリアを教会の母として慕い、篤い崇敬の念をもっていました。431年、エフェソ公会議はマリアを「神の母」と宣言しました。私たちは心を一つにして、新しい1年を聖母マリアのご保護に委ねましょう。またこの日は、1968年1月1日に、教皇パウロ6世によって定められた「世界平和の日」でもあります。ミサの中で、世界平和のために祈りを捧げましょう。